2022年07月10日
久生十蘭「黄泉から」
1970(昭和45)年「久生十蘭全集」1月より(初出年月わからず)。朗読時間約38分。主人公の名前が魚返(おがえり)光太郎。初めて聞く名字に惹き込まれ。いい名前ですよね。しかし、この男、変にクール。この性根は、ま、ほんわかムードで終わってるけど、死んでも治んないでしょう。人間そんなもんだし、それで良しと思うし、悪い事だとは思わないけど、そうは思わない、間違っていると考える人も多いので困る。ジャングルで雪を降らせたと描かれる「幾億幾千万とも知れないかげろうの大群」は例えばこんな感じかなぁ。だから僕はこの結末、あんまり何も感じなかったのです。
Posted by らぼまる at 17:31│Comments(0)