2022年08月04日

大阪圭吉「寝台車事件」



1940(昭和14)年「週刊朝日」1月号初出。朗読時間約28分。新婚旅行の寝台列車で起こる思い違いだと思ってトラブルになったことが実は思い違いじゃなく夜が明けて真実にたどり着いたらトンデモナイ大物が出てきたの、開戦前ならではのお手柄ミステリー。けど、なんとなくストレートで大阪作品としては物足りなく。初々しく可愛いオチなんすけどね。




  


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2022年07月28日

吉行エイスケ 「東京ロマンティック恋愛記」



1931(昭和6)年「近代生活」4月号初出。朗読時間約17分。作家の吉行淳之介氏、女優の吉行和子氏のお父さんです。上手いなぁと感心する比喩と形容詞の嵐で、コンパクトに済む言葉がなかなかなかなか。その一個一個は素敵なんすけど隙間なく連続攻撃されると「素敵」に打たれすぎたパンチドランカー状態で、今がどんな状況なのか迷子になって、終わった時になんのこっちゃとなってしまうのでした。ま、単にこっちの受け取る感受性が貧弱なだけっすが。嗚呼、豊かさってなんだろうなぁ、と91年後のため息。




  


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2022年07月24日

モーリス・ルヴェル「老嬢と猫」



1927(昭和2)年「新青年」6月号初出。朗読時間約22分(後に朗読動画が削除)。リビドーと信仰が、肩寄せ生きる仲を引き裂く話。その結末は闇と光。浄土真宗で良かったなぁ。ブラックです、ぜひ。




  


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2022年07月16日

芥川龍之介 「老年」



1914(大正3)年「新思潮」5月初出。朗読時間約14分。なんのこっちゃわかりませんが、文章がめっちゃ上手いのはわかる。芥川22歳の作品らしいです。しみじみなのかわびしいのか人生も季節も冬だから仕方ないっす。春待ちとか言ってるようじゃまだまだ未練すね。




  


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2022年07月10日

久生十蘭「黄泉から」



1970(昭和45)年「久生十蘭全集」1月より(初出年月わからず)。朗読時間約38分。主人公の名前が魚返(おがえり)光太郎。初めて聞く名字に惹き込まれ。いい名前ですよね。しかし、この男、変にクール。この性根は、ま、ほんわかムードで終わってるけど、死んでも治んないでしょう。人間そんなもんだし、それで良しと思うし、悪い事だとは思わないけど、そうは思わない、間違っていると考える人も多いので困る。ジャングルで雪を降らせたと描かれる「幾億幾千万とも知れないかげろうの大群」は例えばこんな感じかなぁ。だから僕はこの結末、あんまり何も感じなかったのです。




  


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2022年07月06日

岡本かの子「過去世」



1937(昭和12)年「文芸」7月初出。朗読時間約35分。知らなかったけど岡本かの子氏は岡本太郎氏のお母さんです。なんとめっちゃ面白い。ジョン・ウーの三すくみ拳銃トライアングルに似た緊張からほとばしる耽美の世界、その結末が語られるラストの一言に呆然脱力。書くほど作品の魅力から離れて、とてもこの感覚を伝えきれないのでご自分の目と耳で味わってください、ぜひぜひ。




  


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2022年06月30日

大阪圭吉「恐ろしき時計店」



1940(昭和14)年「キング」7月号初出。朗読時間約27分。珍しくはじめのあたりで全部わかっちゃいました。静かなる情報戦。マジびっくり。悔しかったのはラストのオチ。これが本分なのにすっかり忘れてた。ま、覚えていても答えられなかったけど。テイストは「プラダを着た悪魔」(2006年デヴィッド・フランケル監督)のラストのごとく(気分的にね)、です。




  


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2022年06月24日

芥川龍之介「鼻」



1916(大正5)年「新思潮」2月初出。朗読時間約22分。「人間の心には互に矛盾した二つの感情がある。勿論、誰でも他人の不幸に同情しない者はない。所がその人がその不幸を、どうにかして切りぬける事が出来ると、今度はこっちで何となく物足りないような心もちがする。少し誇張して云えば、もう一度その人を、同じ不幸に陥いれて見たいような気にさえなる。そうしていつの間にか、消極的ではあるが、ある敵意をその人に対して抱くような事になる。」(本文から引用)これを「傍観者の利己主義」というのだそうで、現代ではその感情を吐き出す道具が当時と比べて多数取り揃ってる、怖いっすね。さて立ち直れるのかな、現代で。




  


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2022年06月14日

大阪圭吉「刺青のある男」



1940(昭和15)年「キング」6月号初出。朗読時間約22分。キマしたね〜、途中まで読者の推測通りにドキドキと事は運んで、裏切って、さらにもうひとひねりの展開、そして伏線拾いのオチ。これぞ大阪作品、なんですがラストのオチの一言の意味がわかりません。わかったらきっともっと面白いはず。悔しいです。




  


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2022年06月08日

大阪圭吉「告知板の謎」(発表時のタイトルは「告知板の女」)



1939(昭和14)年「新青年」10月号初出。朗読時間約33分。東京市があった時代なんすね。懐かしい告知板が主役となった瓢箪から犯罪現場というか告知板ロシアンすごろく。面白かったかと聞かれたら「期待したほどは」ですが、ま、懐かしかったっす。




  


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2022年06月01日

与謝野晶子「食糧騒動について」

食糧騒動について

青空朗読より与謝野晶子「食糧騒動について」。1918(大正7)年「太陽」9月初出。朗読時間約18分。与謝野さん、怒ってはります。軍閥の内閣、総理、ボロカスです。自己満の富裕寄付女子もボロカスです。そうじゃないだろと怒ってはります。40歳の頃です。当時の与謝野晶子と言えば、その発言力、発信力、影響力は現代で言えば誰ほどに相当するもんでしょうね。




  


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2022年05月31日

坂口安吾「影のない犯人」



1953(昭和28)年「別冊小説新潮 第七巻第一二号」9月15日発行。朗読時間約39分。70年前に早くも医療ツーリズムの考えを金儲けのアイデアとしてさらっとでっち上げてるのでした。それと並んで「剣できたえたこの身体はヒロポンなぞうたなくッてもミズミズしく若返るのだ。」という心の叫びも。ヒロポン(覚醒剤)絶賛OKの時代だったんすね。なんてアンバランス、なんと出鱈目。この感覚がラストの戦争批判の皮肉の一行へ。ほぼ舞台です。




  


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2022年05月15日

中島敦「狐憑」



1942(昭和17)年「光と風と夢」7月15日初版発行。朗読時間約20分。これはある流行作家の残酷物語、いやあらゆる流行創作家の栄華盛衰の例え話なのかと。憑かれてんだか突かれてんだか疲れてんだかで妬まれ憎まれ疎まれネタ枯れの衝撃のラストへ。




  


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2022年05月10日

芥川龍之介「運」



1917(大正6)年「文章世界」1月初出。朗読時間約26分。時は平安なんすかね、京都清水さんの参道の店で陶器師の老人が青侍に語る昔話。めっちゃ美女が清水の観音様に願掛けてお籠りをするところから始まる八坂さん殺人、五条京極逃亡、上前を撥ねて運をつかむ話。さて、この美女が手に入れた運は。反発する青侍と老人陶器師。あしたはどっちだ。




  


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2022年05月06日

フランツ・カフカ「最初の苦悩」



1921年初出。朗読時間約10分。天才が我にかえる時、ということか。機嫌良く飛んでた飛行機がふと「こんな重い体が飛ぶわけない!」と気付いた時の恐怖のような。欲と道連れなら解決も容易い。けど、ガチ純粋はタチが悪い。悩みを抱えて狂うか、受け入れて凡庸に生き延びるか、そんな話とちゃうかなぁぁぁぁぁ?




  


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2022年05月04日

寺田寅彦「化け物の進化」



1929(昭和4)年「改造」1月初出。朗読時間約39分。講義です。面白い授業です。冴えてる時に読み聞きお薦めです。「化け物」は宗教であり科学であり芸術である。ぜひ。





  


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2022年05月02日

大阪圭吉「カンカン虫殺人事件」



1932(昭和7)年「新青年」12月初出。朗読時間約39分。久しぶりの大阪作品ですが、個人的にはなんか「らしくない」展開にがっかり。普通やん。というわけで聴いてる途中にちょっとうつらうつらしたのでした。




  


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2022年04月26日

牧野信一「好色夢」



1935(昭和10)年「中央公論 第五十巻第十号」10月1日初出。朗読時間約27分。なんの話やねん。キャストは高峰秀子、南田洋子、加賀まりこ、石坂浩二でいかがっすか。もちろん若き日の、ですけど。年齢の釣り合いは分かりません。




  


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2022年04月23日

蘭郁二郎「孤独」



1932(昭和7)年「自由律」12月号初出。朗読時間約8分。1年5カ月ぶりの蘭郁二郎作品です。孤独を愛する人、孤独にすがる人、孤独に取り憑かれた人、偶然が重なれば銀座喫茶店連続殺人事件にもなりかねない話。いやすでに気づかれずに起こってるかも。




  


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2022年04月21日

坂口安吾「予告殺人事件」



1945(昭和20)年「東京新聞」8月12日初出。朗読時間約5分。てっきり短編推理小説だと思って聞いたらまるっきり違った内容で驚いた。終戦年に掲載された東京空襲と日本人論。ぜひ。




  


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2022年04月16日

永井荷風「春雨の夜」



1922(大正11)年「明星 第一卷第七號」5月初出。朗読時間約14分。ふたりぽっちになった大邸宅の老夫婦のとある夕餉の話です。こんな話を読んで誰が何を思うんでしょう。「明星」の読者層ってどんな感じだったんすかね。それにしてもこの頃からすでに若い夫婦はみんな同居を嫌って自分の好きな新しい家に住みたがり、そのために東京には家や土地が少なくなるほどだったらしい。面白いね。




  


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2022年03月29日

芥川龍之介「影」



1920(大正9)年「改造」9月発行初出。朗読時間約40分。なんのこっちゃ。




  


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2022年03月19日

横光利一「美しい家」



1927(昭和2)年「東京日日新聞」1月17日発行初出。朗読時間約11分。百合の花の強い匂いが苦手なんですよね。お供えの仏花に入ってる時もありますが、漂う香りに体調が悪くなるほど相性が悪いのです。それにつけても家は住人を映すのかも。自然にもガーデニングにも家庭菜園にもまったく関心がない身には、またまた庭の雑草が賑やかになる季節がやってきてゾッとするばかりです。山頭火の句集「草木塔」の中に「ぬいてもぬいても草の執着をぬく」というのがありますが、なるほど執着なら勝ち目なし。輪廻転生、お菓子の家の魔女、生に彩られた死。そういうもんすか。ぜひ。




  


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2022年02月28日

アントン・チェーホフ「天才」

アントン・チェーホフ「天才」

青空朗読よりアントン・チェーホフ「天才」。朗読時間約16分。下宿屋の階下では家主母娘の大騒ぎの現実、二階では画家の卵たちの夢話。なんのことやら分かりませんでした。わかったのは画家にもいろんなジャンルがあるもんだということくらいですか?それでは加川良さんの名曲「下宿屋」をどうぞ♪




  


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2022年02月22日

芥川龍之介「寒さ」

芥川龍之介「寒さ」

青空朗読より芥川龍之介「寒さ」。1924(大正13)年「改造」4月初出。朗読時間約16分。たった16分の短編なのにいまいちピンときません。二度目に読んで、「あっ!」とわかった。熱伝導と感情の話。物体が起こす偶然に自分の感情が揺れ動く話。クールな物理の法則とホットな感受性。そんな話です、か。締めの手袋の話、一回目わからなくて(轢死体の手が飛んできたのかと思った)、二度目に「あ〜それが人間らしさ」だとホッとした。でも、読解力が貧素なんで不安っす。




  


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2022年02月19日

浜尾四郎「彼は誰を殺したか」



1930(昭和5)年「文藝春秋」7月号初出。朗読時間約52分。寝不足なんで聞きながら途中うつらうつらしました。何か企画物みたいなキレイなオチ(チャンチャンみたいな)で苦手な展開です。それより奥さんの描写は?ホントはどんな気持ちだったのか、気になる。ではベートーベンの「春のソナタ」をどうぞ。




  


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2022年02月05日

山川方夫「一人ぼっちのプレゼント」



1963(昭和38)年「文芸朝日」12月初出。朗読時間約40分。賢者の贈り物の逆バージョンみたいな。曲玉がけっこうあってたどり着く洒落た終わりですが、好みのストーリーじゃないっす。海で亡くなった息子とそのために別れ話になる夫婦の話。で思いました。海で波にのまれて死にそうになった子供っていっぱいいそうだなぁって。僕もそのひとりで、のまれて転がっていく寸前に親父が気付いてセーフだったそうな。海水浴あるあるなんすかね。




  


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2022年01月31日

山川方夫「待っている女」



1962(昭和37)年「ヒッチコック・マガジン」2月初出。朗読時間約25分。四辻に立ち続けている女、十二時間も同じ場所にいた娘の話。果たしてその理由は?膨らむ妄想、暴走する恥ずかしの一人よがり。そして喧嘩して出て行った妻の気になる行方、妻の行く先は?重なる驚愕の真実はいかに!しかし、60年前に酸素ボックスとかあったんすね。目前に東京オリンピック、その次に大阪万博を控えた高度経済成長まっただ中の日本なら当たり前田のクラッカー。



  


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2022年01月29日

山川方夫「愛の終り」



1963(昭和38)年「ヒッチコック・マガジン」1月初出。朗読時間約28分。紅白にも出演しチョー売れっ子になった歌手と25も年上の先輩女性歌手との別れ話。文春砲より怖いのは道連れ自爆ですなぁ。ちなみに現実世界で1963年の紅白で初出場でチョー人気歌手といえば舟木一夫さん。名曲がいっぱいありますが中でも「高原のお嬢さん」なんか今でも鼻歌で無意識にハミってます。




  


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2022年01月24日

豊島与志雄「泥棒」



1921(大正10)年「少年倶楽部」12月初出。朗読時間約15分。子供用なんだということをすっかり忘れてました。しかし、透明人間になった者は自分の姿を見ることができるのか。流れ出た血も皮膚が見えるからこそで、見えなければ血も空中に浮かんでる。いや、血も透明になるのか。仙人だかたぬききつねだかもこれほどの術を持ってるならダークサイドに堕ちれば欲に任せてなんでも仕放題じゃん、とか。少年たちをパシリにした(今のオレオレ詐欺みたいな)組織の親玉でもやれたのに。「少年倶楽部」エライッ。




  


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